信用調査は個人事業主やスタートアップ企業にも必要!

取引に先立って信用調査を行いリスクヘッジを行いましょう BtoB請求書ソフト
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信用調査を実施する側にもならなければならない理由とは?

信用調査と聞いて、取引を始める前に、相手の信用度を測るためにするものというイメージを持っている人は案外多いかもしれません。
しかし、その必要性や調査方法などを問われると、きちんと答えられる人は少ないのではないでしょうか。
実は、個人事業主やスタートアップ企業にも信用調査は必要です。
この記事では、調査される側としてだけでなく、実施する側にもならなければならない理由について解説します。

信用調査は何のためにするの?

商取引をするうえで相手を信用してもよいのか、事前に調べることを「信用調査」あるいは「与信調査」といいます。相手が個人でも法人でも、信用できる相手かどうかがわからなければ、安心して取引できません。特に、金額の大きなビジネスの場合、相手と交わした約束が守られないと受けるダメージが大きく、最悪の場合倒産しかねません。事前に調査を行うのは、不安材料を減らしておくためです。

信用調査(与信調査)は、商取引の相手として選んでも大丈夫かを調べるものですから、調査内容は支払い能力がどれくらいあるかという点になります。
相手に十分な支払い能力があることが分かっていれば、高価なものを売る場合でも、先に商品を渡す場合でも安心して取引できるからです。
商取引を行うのであれば、個人事業主やスタートアップ企業も信用調査(与信調査)を実施する側になります。
この調査は、相手を信用していないから行うのではありません。
安心して取引をするために行うものですから、取引の規模にかかわらず、ビジネス上のリスク管理として行うものととらえましょう。

取引に先立ち相手企業の支払い能力や社会的な信用を調査するする必要があります。

信用調査(与信調査)の必要性は大きい

信用調査(与信調査)は、商取引をする際に必要となるものです。その理由は、日本のBtoBで慣例的に行われている特殊な取引の形にあります。日本のBtoBでは、先に商品を納入し後日代金の決済を行う「掛売り」という取引方法が主流です。もしも、支払い能力の有無や信用度がわからない相手と掛売りで取引きするとどうなるでしょうか。相手が債務超過に陥りかけていても見逃してしまい、代金回収できなくなるリスクがあります。信用調査(与信調査)は、売掛債権未回収リスクを最小限にするために必要なのです。

売掛債権未回収リスクは、取引額が高額になるほど大きくなりますが、規模の小さな商取引でもなくなることはありません。
個人事業主やスタートアップ企業が、自分よりも規模の大きな企業と取引する場合でも同様に発生します。
ただし、Web上に財務状況などが公表されている大手企業と比べると、規模の小さい企業の信用度がわかりづらいは確かです。
そのため、信用調査(与信調査)の必要性は、信用度がわかりにくい相手と取引する機会が多い事業者ほど大きくなるといえます。
つまり、個人事業主やスタートアップ企業は、信用調査(与信調査)される側になるのと同じくらい、実施する側にもなる必要があるのです。

安心取引のために注視すべきポイントとは?

せっかく信用調査(与信調査)をしても、見るべきポイントをきちんと見て、相手の経営状態を正しく判断できなければ意味がありません。

信用調査のポイントとして注視すべきところは、相手企業のキャッシュフローです。
「営業キャッシュフロー」「投資キャッシュフロー」「財務キャッシュフロー」という3種類のキャッシュフローを調べます。

営業キャッシュフローは、本業におけるお金の流れです。企業に収益を生み出す基礎体力があるかどうかを評価するのに役立ちます。

投資キャッシュフローは、企業が投資活動をするときのお金の流れです。マイナスの場合は、本業の収益でカバーできる範囲かどうかを確認し、プラスの場合は、何を売却したのかを確認したうえで、売却が必要になった理由に注目します。

財務キャッシュフローは、資金調達とその返済状況を示すものです。マイナスの場合は、調達した資金が返済能力を上回ってしまっているので、債務超過であることがわかります。プラスの場合でも、自転車操業状態が隠されている場合があるので、資金調達が必要になった理由を確認しなければなりません。

これら3つのキャッシュフローのバランスをチェックし、どのような経営状態にあるかを正確に予想することが、信用審査の重要なポイントです。帳簿上は利益が出ているため気づきにくい黒字倒産のリスクも、キャッシュフローバランスを確認することで見抜くことができます。

効果的な信用調査実施タイミングはいつ?

効果的な信用調査実施タイミングは、主に4つあります。

1つ目は、新規に取引を始める相手の支払い能力を知りたいときです。
相手と安全に商取引を始められるかどうかを確認するために調査を実施します。

2つ目は、既存の取引相手企業について、不安な情報を耳にしたときです。
営業活動などで訪問していておかしいと感じることもあれば、噂話のような形で耳に入ることもあるでしょう。きっかけはどうであれ、取引相手の経営悪化が疑われるときは、信用調査をすぐにでも実施しなければなりません。相手先が倒産し、売掛金の回収ができなくなってしまいます。

3つ目は、取引先との取引額拡大を検討しているときです。
与信限度額をどこまで引き上げられるかを確認するために行います。4つ目は、新規の取引先を開拓するときです。ターゲット企業の取引状況を把握するために行います。

信用調査実施方法は4種類

信用調査実施方法は4種類あります。

最初に行うのは社内調査です。本格的に信用調査を開始する前に、自社内に蓄積されている情報を調べたり、相手先と接触した経験のある営業担当者と面談したりして可能な限りの情報を集めます。

次に行うのが直接調査です。
相手先を訪問して確認する訪問調査だけでなく、電話やメール、FAXを使って調査することもあります。貴重な情報を得やすい直接調査ですが、慎重に対応しなければなりません。相手が疑われていることに気づき、心証を悪くすると、以後の取引がしにくくなってしまいます。

次に行うのは外部調査です。
外部調査には、官公庁の公開情報を利用する方法と、インターネットでWeb情報を検索する方法、直接調査の裏付けを取る方法があります。

ここまでの調査で十分な情報が得られない場合は、依頼調査が必要です。
信用調査会社などの第三者に調査を依頼する方法で、外部調査では情報を得にくい中小企業の信用調査にも向いています。

1年間の企業の財務状況を報告する財務諸表

リスク管理を重視して信用調査を実施しよう

個人事業主や規模の小さい企業の経営者は、信用調査実施の必要性を理解していないことが少なくありません。
しかし、相手先の経営状態が悪化した際にあおりを受け、連鎖倒産しやすいのは、個人事業主や規模の小さい企業です。
相手先のキャッシュフローバランスをじっくり調べる人員や時間を割けないのであれば依頼調査の利用を検討し、しっかりリスク管理しましょう。

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